戦時中、この島は兵器開発施設かつ要塞であったという歴史をもっていることにより、島にはうさぎ達のみならず戦争が残した廃墟や歴史を風化させないための資料館もあります。また、島を訪れた人がのんびり過せるように宿泊所や海水浴場、テニスコートなどのレジャー施設も実はあったりします。
戦時中、この島は毒ガス兵器開発工場だったり、敵から国を守るための要塞でした。その戦争が終結してから70年以上経った今でも、当時の施設が残っています。一部は取り壊されたり、あるいは有害物質除去のために焼却されたようですが、壊されなかったり、焼け残ったりした建物が廃墟として点在しています。
崩壊の危険があるなどの理由により立ち入り禁止になっているものもありますが、それ以外のものは中に入って探検することができます。しかも順路が整備されて見学できるようになている…なんてなまぬるいものは少なくて、大部分が放置されています。なので、そういった場所では、草は茂り放題、くもの巣は張り放題。鬱蒼と茂る草木を分け入って、道無き道や斜面を進むことでようやくたどり着く、そんな薄暗い森の中に潜んでいる建物だってあります。
こういう手付かずの場所を探検するのが楽しいんですよ!綺麗に整備されつくした都会で退屈しているなら一度この島へ来て、足は泥だらけ、頭はくもの巣だらけになってみては?
じつはこのうさぎ島、島全体が国立公園に指定されています。そのため島には休暇村という公共の宿泊施設があるんです。だから無人島とはいえ、キャンプ道具を携えて自炊や野宿をするなんて必要はありません。(キャンプ場もあります)手ぶらで行ってもOKですよ。釣りやテニス、サイクリング、ミニゴルフなんかもできますが、これらに必要な道具はみんな借りられますから。
あと、私の個人的な感想ですが、宿泊所のごはんがとってもおいしいです!バイキング(ビュッフェ)形式なら、海の幸も山の幸も、はたまた洋食も、そしてデザートも好きなものを好きなだけ食べ放題!時期にもよりますが、一泊二食付きで8000円くらいです!部屋も申し分ないし、24時間の浴場もあるし、お土産も買えるし、要するにここはホテルですよ。東京の私からするとこんな施設なんて手頃な値段なのかと感心します。(おことわりしておきますが、私は休暇村関係者ではありませんよ。)
あ、あと島の住民であるうさぎ達と仲良くなるためのえさも販売してますよ。うさぎ達もそのえさのことをよくわかってるので、えさの入った紙袋をわざともんで、ガサガサっと音を立ててあげてください。そうすると長い耳でその音を聞きつけ、あっというまに走り寄って来ます。これで彼女たちはもうあなたの虜!(終わったらさっさと帰っていきますけど)
この島でこうしてうさぎ達と仲良くできるのはある意味戦争のおかげ…なのかもしれませんが、やっぱり人の命を奪う戦争は愚かな歴史として心に刻まなければなりません。戦争という負の歴史を風化させないため、毒ガス兵器開発施設となったこの島には当時の物品や資料を集めた大久野島毒ガス資料館があります。
火曜日が休館日で、それ以外の曜日の9:00〜16:30に入館できます。館内では、製造装置や防毒マスク、防護服などの実物展示の他、製造していた毒ガスの種類()など当時の様子を示した資料、それに毒ガス被害者の苦しみなどを伝える写真や資料などが展示されています。
これとは別に、大久野島ビジターセンターという施設もあります。こちらは主に大久野島の自然やそれに関連した歴史を紹介している施設です。大久野島のジオラマが面白いですよ、うさぎ島らしくて。なお、休館日は水曜日(公式ページには火曜日とありますが…)で、それ以外の日の9:00〜16:00にやってます。また毒ガス資料館は入館料がかかりますが、こちらは無料です。
他にも、毒ガス製造に従事したなどによって被害に遭い亡くなった人々を祀った大久野島神社や慰霊碑などもひっそり佇んでいます。そんな事など知るはずもないうさぎ達がそこに一緒にいるのがまた印象的ですね。